INTERVIEW 社長インタビュー

人材は人財と書く

「社員の品格が会社を良くする」

社長インタビュー INTERVIEW

カラヤ株式会社は、カラヤ金物商店として私たちはかなり昔から知っていますが。

私のところの創業は幕末期です。140年の社歴を持っています。武生町で金物業を開業したのが初代の山本仁左衛門です。ナベ、カマ、包丁などを扱ういわゆる「荒もの屋」ですね。

本店は福井市かと思いました。福井のカラヤという印象が強いのですが。

福井へ昭和38年に支店を開きましたからね。敦賀へも開きました。福井はなんといっても県都で人口も多く販売高も多いのでカラヤは福井にあると思われたのではないですかね。

小浜にも営業所を置いて福井から小浜まで全県に店を広げられた。

そうです。昭和30年代から40年代にかけて展開したわけです。
扱う品物も本来の鉄製品から針金、並板など二次製品へ、さらに水道用のパイプ、ドライバーなどの各種工具類と商品が広がり建設資材、機械器具、鋼材二次製品の販売加工、冷暖房設備の設計、建設機械のリースなど範囲を広げて現在に至っているわけです。私は5代目になるのです。

150年続くとは大変な「しにせ」ですね。

そうです、お陰さまで…。
これも取引先、仕入れ、販売先の支援の賜物だと感謝しています。振り返ってみますと、昭和48年のオイルショックまでは順調でしたね。しかし、その後50年代から60年代にかけては業界全体が苦しい時代でした。

社内風景 社内風景

さて、御社の「社是」を拝見しますと「自ら品性の陶冶に練み、健全な身体で企業活動を通じ道義社会の建設に邁進せよ」と書いてあります。
社是としては非常に短くて簡単、しかも「道義社会の建設」とは普通の会社の社是とは全く違ったものを感じますが。

わたしのところでは「人なくして企業なし」をスローガンに掲げています。社員に人材がそろうこと、人材のことを私は「人財」と書きます。人こそ財産で、企業はいかに品格ある人を集め育てるかということが経営のカギだと思います。
品格のある人材がそろえば社会も会社も家族もよくなり幸せになるという考え方です。それには、私は家族が大切だと思います。社員の家族が幸せであれば会社がよくなる。会社がよくなれば社員の家族も含めて幸せになる。ニワトリが先か玉子が先かの議論になりますが、会社と社員二つがそろってよくならねばならぬと思っています。

御社の社是や社員訓には千葉県柏市に本部のある財団法人モラロジー研究所の最高道徳の教えと実行の精神が取り入れられていると聞きますが。

そうです。社員訓には「感謝報恩」が第一に掲げてあります。幸せな家族を持てるのも、会社経営が今日までやれてこれたのも多くの人の恩を受けたため、その恩に感謝して報いる気持ちを忘れてはならぬということです。もうけることばかり考えて感謝を忘れた会社はいつか行き詰まる。
こうした経営哲学というか道儀というものを社員に自覚してもらうために、新入社員はモラロジー研究所で三泊四日の研修に行っています。 また、年に1、2回は全社員(各支店、営業所も含めて)本社に集めて社員大会を開き、自己反省と報恩の精神、明るくて楽しい家庭をつくってくれと私は話をしています。

社内風景 社内風景

今の世の中、犯罪の低年齢化、凶悪犯の増加、ニートと呼ばれる働くことのあまり好まない若者が増えてきている。いまの若い人をどう思いますか?

困ったものだと思います。競争心がない、我慢しない、言いつけたことだけしかしないすぐ会社をやめるといったようなことが目につきますね。終戦後欧米から入った個人主義、自由主義の悪いところだけをとった結果ではないかと思います。権利だけ主張してその反面の義務を忘れている。利己主義になってしまったんだと思います。それから戦後の家庭での子供の教育が悪い。特に3才~4才の頃の「しつけ」を親がしない。家庭での朝、晩のあいさつ、ご飯のときはいただきます、終わったらごちそうさまといったしつけを今の親はしない。昔の家族はおじいちゃん、おばあちゃんがいて3世代でいろいろと子供のしつけを教えた。「3つ子の魂百まで」という諺がありますがこの年頃のしつけが一番大切だと思います。
それから核家族に一人っ子というのが多い。なんでも1人占めできるから人に分けるということを知らない、競争心もない、こんな子供が社会へ出てくるのですから大変ですよ。気ままで、すぐキレたりする。

そのような世の中の流れの中で、道義をわきまえ、人に感謝報恩する道徳教育をやりながら事業経営するとは全く尊敬しますね。

え、努力が必要ですね。社員も私も心を一つにしなければできないです。
私らが信条とする新しいモラルとは、人としての行いとともにその元にある心のあり方を大切にすることです。
例えば私のところは商社ですから営業から配送まで「お願いします」とひと言声をかける運動をやっています。それから報告する、連絡する、相談する、この三つを必ず守ってやらせています。
商売は自分1人でしているものではない、みんなが協力し感謝しあってこそ成果があがるものだということを教え込んでいます。
社員同士が仕事を通じて「お願いします」といい合うことは感謝の心の表れです、また、思いやりの心でもあるわけです。それがまた「自立の心」にもつながっていきます。

社屋
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